調剤ポイント付与をめぐる動きと対応
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 この調剤ポイント問題は、一昨年の10月に「調剤ポイント実質解禁」が業界誌に掲載されたところから始まりました。日本チェ−ンドラッグストア協会は、法律的問題がないことを確認するも、会員企業に対しポイント付与を1%程度とし、冷静な対応を会員にお願いしました。

 ところが、公正取引委員会より、この会員への通知は独占禁止法抵触の恐れありとして、その通知の撤回命令と罰則を受けました。

 そこから8ヶ月が経過した、2011年(昨年)11月2日の中央社会保険医療協議会総会において、突然@ポイントカ−ドによる調剤ポイントの原則禁止Aクレジットカ−ドにおけるポイント付与は可能B2012年4月1日からの施行が決定されたのです。

 そこで、日本チェ−ンドラッグストア協会は、「調剤ポイント付与禁止」について「ドラッグストア業界の言い分もあるはず、ネットで公表すべき」という多数のご意見を頂いたのを受け、この問題のこれまでの経緯と私たちの意見を発表させていただきます。

 ただ私たちは、「調剤ポイント自由化を力ずくで実現する」ことを目的に主張しているのではありません。消費者・生活者の権利や利便性を奪い、負担を増加させても調剤ポイントを禁止したいとする、厚生労働省保険局の誠意のない一連の対応、矛盾だらけの論理、国家権力を行使し一部の業界の保護とドラッグストア業界排除の姿勢について問題を提起し、厚生労働省の誠意ある対応を求めているのです。

日本チェ−ンドラッグストア協会

掲載内容の構成(目次)


 1)調剤ポイント付与問題の経緯概要

 2)11月2日の「中央社会保険医療協議会総会」における決定状況と内容

 3)2月10日の「中央社会保険医療協議会総会」におけつ決定状況と内容

 4)調剤ポイント付与を求める背景

 5)調剤ポイント中止(省令)における問題および争点について

 6)ドラッグストア業界が言いたいこと

[資 料]
 資料−1:これまでの経過フロ−図[PDF]

 資料−2:健康保険法と療養担当規則(薬担)関係法規文の抜粋[PDF]

 資料−3:行政刷新会議への意見書[テキスト] [PDF]

 資料−4:中央社会保険医療協議会総会(11/2)説明資料[PDF]
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 資料ー5:
中央社会保険医療協議会総会(2/10)説明資料[PDF]
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 資料−6:調剤ポイント付与に関する経緯の詳細 [テキスト] [PDF]

 資料−7:保険調剤におけるいわゆる「ポイントサ−ビス」の提供に関する質問主意書
答弁書 : Page1   Page2
質問主意書: Page1   Page2   Page3

     
参議院HP 質問主意書情報
     http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/syuisyo/176/meisai/m176115.htm

 資料−8:
公正取引委員会が「ポイント自粛または冷静対応」の業界通知に公開罰則

     
公正取引委員会HP
     事例集 事業者団体による高額なポイント付与の自粛の要請

     http://www.jftc.go.jp/soudanjirei/jigyosya-h22nendo/h22nendo011.html


1)調剤ポイント付与問題の経緯概要
資料−1

 いわゆる「調剤ポイント付与禁止問題」について、これまでの経緯の概要を記載します。より詳しい内容については、後ペ−ジの「調剤ポイント付与に関する経緯の詳細」をご覧下さい。(資料−6

(1)ドラッグストア各社が調剤ポイント付与サ−ビスの開始まで


2010年9月頃より、調剤ポイント付与に法的問題がないことを厚生労働省保険局に確認。
資料−2) 

2010年11月に厚生労働省保険局医療課薬剤管理官が「われわれは、調剤ポイントは違法と考えている」と説明し、自粛またはそれに準ずる対応を求めてきた。

2010年11月参議院議員の質問主意書に、内閣は「健康保険法等の医療保険各法においては、「ポイント」の提供又は使用自体を規制する規定はない(違法性はない)」と回答。(資料−7

厚生労働省に直接と内閣の質問主意書回答の「違法性なし」を確認し、ドラッグストア各社は調剤ポイント付与システム設備を構築し、調剤ポイント付与サ−ビスを開始した。


(2)厚生労働省の調剤ポイントの自粛を求める動き

2010年12月の行政刷新会議で、調剤ポイントが調剤報酬引き下げの論拠とされた。

2011年1月厚生労働省保険局薬剤管理官は「調剤ポイントが調剤報酬引き下げの論拠になって困っている」と説明し、再度自粛を依頼される。

2011年1月行政刷新会議あてに「調剤ポイント付与を論拠とした調剤報酬引き下げ論拠」に計算ミス(算出数値の間違い)を指摘。調剤報酬引き下げの論拠にしないと返答あり。(資料−3

2011年1月厚生労働省保険局医療課長が自粛要請通知を出す。この内容について薬剤管理官から、「自粛してほしい。公正取引委員会とも相談済みである」との説明を聞く。

2011年1月この厚生労働省保険局医療課長通知に対して、日本チェ−ンドラッグストア協会は「自粛を含めた冷静な対応をお願いする」との協会の見解を会員に通知。


(3)公正取引委員会から「業界の自粛通知」の撤回命令と業界に罰則
2011年2月に公正取引委員会より4度にわたり呼び出しがあり、協会よりこの件で会員に見解を出すことは独占禁止法に抵触する恐れがあるとして、撤回命令を受け撤回した。

2011年2月日本チェ−ンドラッグストア協会は、厚生労働省の「業界で自粛せよ」、公正取引委員会の「業界で自粛してはならない」とする2つの正反対意見に対し、国としての意見統一を求めた。国としての統一見解が出たらすぐ知らせてもらうことも求めた。

この時公正取引委員会に平成15年4月23日第156回国会衆議院経済産業委員会で「ポイントは値引き」と公正取引委員長が答弁したことと矛盾はないかを尋ねたが返答なし。

2011年3月公正取引委員会は、会員各社に「自粛または冷静対応の要請」を行った日本チェ−ンドラッグストア協会に罰則を与え、これを公表した。(資料−8

2011年5月厚生労働省に、公正取引委員会と国としての統一見解が出たか尋ねたが「まだ出ない」とのこと。統一見解が出たらすぐ知らせてもらうことを再度お願いした。


(4)調剤ポイント付与を禁止するための厚生労働省とそれを不服とする業界の動き

2011年11月中央社会保険医療協議会総会において、厚生労働省保険局医療課薬剤管理官の調剤ポイント付与は「調剤の質の低下を招く」という観点から、「2012年4月1日からの調剤ポイント中止」という案がいきなり出され、すぐに承認された。

2011年11月日本チェ−ドラッグストア協会は、緊急説明会を開催。これまでの経緯について事務局より、中医協の決定内容を厚生労働省保険局医療課薬剤管理官より説明。(資料−4

この緊急説明会で、厚生労働省保険局への質問状や参加者の質問に対して、厚労省側の理解しがたい回答、誠意のない回答に参加者が激怒、署名活動を行うことになった。

2012年1月厚生労働省保険局医療課は、中央社会保険医療協議会総会の内容で療養担当規則(省令)を変えるべく、異例の短い期間でパブリックコメント(意見募集)を出す。

2012年1月厚生労働省の職員による、調剤ポイント付与に反対する既存某団体に働きかけた「やらせメ−ル疑惑」が報じられ問題化している。

2012年2月調剤ポイント付与継続を求める「署名活動」は、現在60万人を超えている。


経過におけるポイント]

調剤ポイントとは、調剤時における自己負担分のみにポイントをつけ、ついたポイントは調剤以外の商品購入時に使われる。(調剤支払いには、ポイントは使えない)
→ 健康保険法および療養担当規則(省令)を満たす運用。公費にポイント付与していない。

調剤ポイント付与が違法であるか否かを再三再四確認し、「違法でない」とする公的な判断をもってドラッグストア各社は、費用を投じて調剤ポイント付与サ−ビスを実施した。
→ 多くの商品を取り扱っているドラッグストア各社は、生活者の利便性拡大サ−ビスの一環として導入した。

厚生労働省保険局医療課薬剤管理官は、初めは「違法と判断」とし、これが否定されると「調剤報酬引き下げの論拠になる」とし、これが否定されると「調剤の質の低下になる」と説明。調剤ポイント付与を禁止させようとする理由が二転三転。
→ ドラッグストアが実施する調剤ポイントをなんとしても禁止したい本当の理由は何か?

厚生労働省と公正取引委員会との見解と指導の異なりに、業界が困惑と混乱した。
→ 国としての意見の統一を求めるも、回答がなく禁止を決定。行政は説明責任があるはず。

厚生労働省は、自らの対応のまずさから混乱を与えたドラッグストア業界になんの調整や説明もなく、また商法や民法などの商取引に関する検討もなしに中央社会保険医療協議会総会という自分たちが所管する権力の場で決定した。
→ クレジットカ−ドや電子マネ−のポイント付与は、財務省、経産省との調整が必要なため「やむをえない」として認めている。「法の上の平等」からして理解しがたい内容である。

調剤ポイント禁止の省令化に反対する多くの意見に、危機感を抱いた行政当局の「やらせメ−ル疑惑」の報道(裏を取っているとの事)。
→ もし、これが本当であれば、厚生労働省はいったい誰の何を守ろうとしているのか。

調剤ポイント付与を求める署名者数は当初の予想をはるかに超え、60万人を超えている。「孫への小さな楽しみを奪わないで」など多くの利用者からの声に、厚生労働省はどう応えるのか。
→ 高齢者の調剤での医薬品の自己負担費は巨額になってきている。この自己負担分のわずか1%ほどの患者の楽しみを奪わなければならない法的、合理的な理由が見当たらない。

私たちは、何も「調剤ポイント自由化を力ずくで実現する」ことを目的に活動しているのではありません。

消費者・生活者の権利や利便性を奪い、負担増させても調剤ポイントを禁止したいとする、厚生労働省保険局の誠意のない一連の対応、矛盾だらけの論理、国家権力を行使し一部の業界の保護とドラッグストア業界排除の姿勢について問題を提起し、誠意のある対応を求めて活動しているのです。


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2)11月2日の「中央社会保険医療協議会総会」における決定状況と内容

11月2日の中央社会保険医療協議会総会は、午前10時よりはじまったが、他の検討項目もあり、本件に関する審議は、午前11半ごろよりはじまり、次の内容がわずか20分足らずの時間で決定された。
まず、厚生労働省保険局医療課薬剤管理官より調剤ポイントを禁止する厚労省案が示され、その後、委員から厚労省案を是認する意見が4名ほどあり、すぐに決定された。
決定された内容は次の通り。(資料−4

(1)一部負担金等の受領に応じて、専らポイントの付与及びその還元を目的とするポイントカ−ドについては、ポイントの付与を認めないことを原則とする。

(2)一方で、現金と同様の支払い機能を持つ、クレジットカ−ドや一定の汎用性のある電子マネ−による支払いに伴い生じるポイントの付与は、これらのカ−ドが患者の支払いの利便性向上が目的であることに鑑み、やむを得ないものとして認める。

(3)これらについては、「保険医療機関及び保険医療養担当規則」及び「保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則」を改正することとし、各薬局等における準備期間も必要であることから、施行は平成24年4月1日とする。


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3)2月10日の「中央社会保険医療協議会総会」における決定状況と内容

2月10日10時から始まった中央社会保険医療協議会・総会(中医協)において、10時33分から調剤ポイント付与に関するパブリックコメントの結果報告並びに厚生労働大臣への答申書(案)の検討がなされ、ポイントカードによる調剤ポイント付与の原則禁止を盛り込んだ療養担当規則の改正(案)がわずか11分で承認されました。

また、パブリックコメントで相当数の実態が認められたことを受けて、施行を平成24年10月1日とすることも、中央社会保険医療協議会・総会で承認されました。
 (パブリックコメントの結果)
・意見総数:         1万3863件
   一部改正に賛成       855件
   一部改正に反対   1万3008件
(承認された内容)
・保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則等の一部改正
・施行は平成24年10月1日とする

資料―5

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4)調剤ポイント付与を求める背景

私たちは、次の理由と背景から、調剤ポイント付与継続を求めています。
何卒よろしくお願いします。

(1)法律的な背景
@健康保険法で認められたことを省令で禁止することは、極めて納得が得られないことです。

→ 藤井基之議員の質問主意書に対し、当時の菅首相は法的規制の項目なしと明確に答弁しています。健康保険法で規制項目のない内容をその委任を受ける省令(療養担当規則)で禁止することはできないはずです。

A保険調剤の公費分ではなく、自己負担分のみに付与した場合のポイント付与禁止の合理的理由が見当たりません。
→ 調剤ポイントは調剤の一部自己負担分の支払額に応じて、ポイントを付与しますが、調剤への使用は認めておりません。調剤への値引きを行なっていないことに禁止を強いる正当な理由はないと考えます。

B「保険調剤の質の低下」を理由としてあげるのは、過去の距離制限裁判が憲法違反とされたことと同じです。
→ 調剤ポイント付与による保険調剤の質の低下を懸念する発言が厚生労働省保険局からありました。事実認定もなく憶測での物言いは、かつての保険薬局距離制限を認めさせようとした根拠と同じであります。周知のとおり、距離制限は憲法違反として却下されています。

Cクレジットカ−ドのポイントを可とする内容には、法の平等性からしても、極めて問題があると考えています。
→ 厚生労働省は利便性をもってクレジットカ−ドや電子マネ−の利用は認めようとしていますが、各社のポイントカ−ドとの差異を明確に示していません。仮に各社がクレジットカ−ド会社、電子マネ−企業との提携カ−ドの発行に踏み切れば、認めるというのはどう考えてもおかしいし、正当な経済活動を営むことの妨害と考えられます。

Dそもそも「調剤ポイント付与禁止」について、中央社会保険医療協議会総会で決定
できるものなのでしょうか

→ 健康保険法に抵触しないと判断が出た調剤ポイント付与内容に対して、「禁止」
として、国民の権利や選択権を奪い、事業者の営業の自由を奪うためには、健康保険法ではなくその他の法律で検討することが必要だと考えます。中央社会保険医療協議会総会で決定すべきものではないと考えます。

(2)国民、消費者の背景
@署名活動による国民の声(60万人超)を無視することはできません
→ 法律にもない内容を、省令によって消費者・利用者の権利を奪うことはできないはずです。署名された60万人を超える調剤ポイント付与を求める国民の声に厚生労働省はどう回答するのでしょうか。必死にポイント付与禁止にする狙いは、いったい誰の何を守りたいのでしょうか。

A「調剤ポイント付与を受ける国民の権利を奪うことは断じて許されません。
  → 調剤ポイントを受ける権利は国民の権利であります。いくら国家権力といっても、この国民がもっている権利を奪うことはできないと考えます。


(3)行政の古い体質の背景
@行政による「やらせメ−ル」は大問題です。
→ 行政によるパブコメの「やらせメ−ル」が問題になっています。一部の行政官と古い団体や業者が一緒になって「禁止」させる狙いは、既存団体を保護し、ドラッグストアの保険調剤への進出を妨害するための策としか思えませんし、許されることではないと思います。

A二転三転する「禁止理由」に大きな疑念を抱きます。いったい誰の何を守ろうとしているのでしょうか
→ 初めは「違法」とし、これが「問題なし」とされると、次は「調剤報酬引き下げ根拠」とし、これが「根拠にならず」とされると、次は「質の低下」として、中医協総会で決定。なんとしても、「禁止したい」厚生労働省の狙いはなにか。いったい誰の何を守ろうとしているのか大きな疑念を抱きます。

(4)損害賠償責任の背景
@何の説明も調整も無く「禁止」とするのは国家権力の乱用であり、許されるものではありません。

→ 保険局の見解も内閣の見解も「問題なし」を確認し、設備投資を行なった調剤ポイント付与を、何の説明も、業界調整も無く、勝手に「禁止」とするのは、国家権力乱用の何ものでもありません。私たちは、こうした厚生労働省の姿勢を断じて許すことはできません。

A損害賠償責任は厚生労働省にあり、この内容が示されるべきです。
→ 一昨年の各社からの問い合わせに対し、法的な規制項目はなく、調剤ポイント付与可との回答をしておきながら、もし一年後に禁止するという暴挙に出るのであれば、設備及び営業補償は、当然厚生労働省が対応すべきと考えます。しかし、当局が4月開始の猶予時間だけをもって、各企業にその費用負担を行なわせることには納得ができません。

(5)医薬分業制度推進の背景
@国民が「薬の安全と効果的使用」を実現するのは「面分業」にあります。この推進に何故ブレ−キをかけるのかわかりません。

→ 医薬分業の目的は面分業にあり、面分業に患者の大きなメリットがあります。調剤ポイント付与により、面分業化が促進されている事実があります。法的な問題もなく、一部の憶測で言っている「保険調剤の質の低下」の事実もないのに、面分業推進をくい止めることはこれからの医療行政の方向性にも反するものであります。

A現在の点(門前)分業から面分業への移行を阻止する狙いは、誰の何のためか、疑念を抱きます。
→ 面分業は薬の安全性と医療費抑制といった国民にとって有益な分業体制です。しかし、現在は門前分業が中心で、その狙いは実現されていません。国民の安全性や医療コストの抑制という、国家的な課題を阻止してまでも守ろうとしていることは、いったい誰の何のためなのか、厚生労働省に大きな疑念を抱きます。


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5)調剤ポイント中止(省令)における疑問について

下記の7つの疑問内容について、厚生労働省保険局医療課に文章で回答を求めましたが、文章での回答はなく、2011年11月15日の緊急説明会で担当官より、意味不明な「のらりくらり」の話がありました。

(1)保険調剤の公費分ではなく、自己負担分のみに付与した場合のポイント付与禁 止の合理的理由は何か。
→ 公費分にはポイント付与していないのに、どうして禁止なのか。

(2)労省保険局が言っていたように、法律で可能なものが省令で禁止できるのか。
→ 憲法で保証される営業の自由(22条)に抵触しないのか。

(3)法解釈の中で可能となり、ポイント付与を実施した企業が、省令で禁止とした場合の損失補償をどうするのか。
→ 設備及び営業補償は、当然厚労省が対応すべきと考えるがいかがか。

(4)生活者が受けるメリットなど、奪う合理的理由は何か。
→ 省令によって消費者・利用者の権利を奪うことができるのか。

(5)医薬分業の目的は面分業にあり、面分業に患者の大きなメリットがある。調剤ポイントは、明らかにその面分業推進策として有効的である。
→ 調剤ポイントを禁止し、面分業推進をくい止める理由は何か。

(6)クレジットカ−ドや電子マネ−と各社が行なっているポイントカ−ドとの法的な切り分けはできるのか。
→ その法律的かつ合理的理由は何か。

(7)その他−調剤ポイントの代替案はあるのか など

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6)ドラッグストア業界が言いたいこと


ドラッグストア業界は、これまで日本の消費者に愛され6兆円規模になりました。この間、古い業界団体や行政から多くの嫌がらせや妨害を受けてきました。

それでも今日のような成長を辿ったのは、ひとえに消費者、お客様のお陰によるものと考えています。常にお客様の満足を最優先にし、時には妨害する権力とも戦ってまいりました。このたびの「調剤ポイント付与」は、公的な費用を使わず、現行調剤制度を崩すものでもありません。お客様や患者様の満足や利便性を高めるための業界努力なのです。

これを妨害しようとする国家権力は、いったい誰の何を守ろうとしているのか分かりません。

わたしたちが、言いたいことは次の通りです。

(1)業界への丁寧な説明と配慮が必要です。
この経緯を見ても分かるとおり、厚生労働省のボタンを掛け違えた進め方やドラッグストアを敵視した言動に、業界が激怒したのです。業界に対する丁寧な説明責任は、厚生労働省にあります。一人の担当管理官の考えや思い込みで、国家権力を乱用できるような時代ではもはや無いと思います。

(2)法的平等性、消費者の自由を奪って何を実現しようとしているのか。
調剤ポイント付与を禁止するにあたって、クレジットカ−ドや電子マネ−は「やむをえない」として認める内容になっています。法的矛盾は言うにおよばず、消費者や利用者の「選択の自由」を無視した対応になっています。ドラッグストアの調剤ポイントを執拗に嫌う本当の理由は何なのでしょうか。極めて納得がいきません。

(3)社会保障や医療費高騰が大問題のときに、行政担当官のこの対応目的を疑います。
現在の医療費と介護費を合わせると約45兆円になっていますが、これが2025年(あと13年)には、73兆円になるといわれています。わが国でも、世界先進国に見られるように、ドラッグストアを使った「セルフメディケ−ションの推進」や「面分業の推進」が国策として行われなければなりません。このようなわが国で、なんの根拠もなくドラッグストア活動を妨害する厚生労働省保険局は、いったいどんな政策をもって国家権力を行使してまで禁止しようとしているのか、理解しがたいです。

(4)生活者、消費者のささやかな楽しみを奪ってまで、実現したいものは何か。
調剤ポイント付与禁止理由を二転三転させ、矛盾だらけのドタバタの理屈をもって、なんとしても調剤ポイントを禁止したいとする厚生労働省保険局。消費者、利用者サイドから納得できる説明は何一つありません。厚生労働省保険局が揶揄されるような、消費者の「選択の自由」を奪って実現したいものは、古い業界保護や高い医療費国民負担では洒落になりません。論理的矛盾のない、納得いく理由を説明いただきたいものである。

(5)「三方一両損」の道をさぐる
生活者や利用者の方−に混乱があってはならないと考えています。そこで私たちは、今後すべての関係者が納得の行く道を探ります。もしその道が見つけられなければ、残念ながら法的手段を講じることになると思います。


私たちは、何も「調剤ポイント自由化を力ずくで実現する」ことを目的に活動しているのではありません。
消費者・生活者の権利や利便性を奪い、負担増させても調剤ポイントを禁止したいとする、厚生労働省保険局の誠意のない一連の対応、矛盾だらけの論理、国家権力を行使し一部の業界の保護とドラッグストア業界排除の姿勢について問題を提起し、誠意のある対応を求めて活動しているのです。


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